先端リソグラフィの 実現: EUV 用レクチルの  保管と搬送の課題

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このホワイトペーパーでは、EUVリソグラフィ用のポッド設計における固有の課題について説明し、より多くの半導体製造工場が高度なリソグラフィノードを実現するためのソリューションを提案しています。

序論
半導体業界が微細化設計の限界に挑み続ける中で、 EUVリソグラフィ は量産化に進みつつあります。7 nm 以下の先進のノードでは、EUV リソグラフィはパターン 形成プロセスを合理化する実現技術です。そのような微 細スケールでの信頼性の高いパターン形成には、高清浄 なレチクルが必要です
 
他のあらゆるレチクルと同様に、EUV リソグラフィに使 用されるレチクルは安全な保管のためにレチクルポッド を利用しており、リソグラフィ パターン形成、検査、洗浄、 および修復中に保護されています。保護ポッドは、不要な 汚染や物理的損傷を招くことなく長年にわたって使えな ければなりません。
 
193 nm 液浸リソグラフィ用に設計されたポッドは EUV 用レチクルの保護に十分ではありません。EUV リソグラ フィ独自の要件によって大きな制約と高い要求がポッド に課せられるため、EUV 用レチクルポッドは多くの重要 な部品を備えた高度に専門的な容器となります。
 
本論文は EUV リソグラフィ用のポッド設計に固有の課題 を説明し、より多くのファブがその先進のリソグラフィ  ノードを施設に導入できるソリューションを提案します。
 
 
EUV 用レチクルの保護

リソグラフィのパターンが精細であればあるほど、よりレ チクルに汚染のリスクをもたらします。潜在的な汚染源に は、異物と残留化学物質があります。レチクルのコーティ ングは繊細で、容易に損傷を受けます。製造工場内のロ ボット アームなど所定のプロセスの一部であっても、人 髪などの予期しない汚染物質であっても、レチクルに接 触するものであれば何であれ損傷の原因となる可能性が あります。

液浸リソグラフィでは、パターン露光中の粒子汚染からレ チクルを保護する「塵除けカバー」としてペリクルが利用 されます。ペリクルは光学的に透明である必要があり、 EUV リソグラフィの場合、波長 13.5 nm 前後の EUV スペ クトルの光が透過します。ペリクル膜の既存の材質は EUV 光を吸収するものがほとんどですが、半導体業界で は EUV 固有のペリクルを使用し始めています  (図1 を参照)。